むかーし、調査をしていたときに、UNAMの大学で経営学、数学、言語学を同時専攻している学生に言われたことがある。「ストリート・ベンダーの収入は、600ペソ以上だよ」と。講義で聞いたか、新聞で読んだかだといっていたが、その元データがセルヒオ・ペーニャの論文に出ていることをつい最近知った。
その論文は、Sergio Peña,1999,
Informal Markets Organization:Street Vendors in Mexico City,Florida:the Florida State University.である。
国際マーケティングの専門家で、ウォルマート研究者でもある東京経済大学の丸谷先生からお借りした文献がこれだったのだが、81項の記述に出会うまで、この文献がもとネタになっていたことに気がつかなかった。
ともあれ、出会いたかった文献に出会えた。
ちなみに、丸谷先生はその著書『変貌するメキシコ小売産業――経済開放政策とウォルマートの進展』(白桃書房、2003)においてペーニャの論文を一部翻訳し紹介している。スペイン語は無理!英語も厳しい!という場合でも、『変貌するメキシコ小売産業』なら手にとって読めるのではないでしょうか。
メキシコのストリート・ベンダーに関する日本語文献としては、現在のところ最も優れた文献です。