ストリート・チルドレンは、そもそも複数形で示されているように、単独で行動するわけではなく、生存戦略上集団のなかにおいて行動している。
しかし、状態的に単独行動をとる単独層、一匹狼タイプのストリート・チルドレンがいることは確かである。ここには一見矛盾があるように思える。
ストリート・チルドレンには3つのレベルでの集団が存在する。
①Aとの紐帯を基盤にした集団:
生活のための基礎的ストリート・チルドレン集団
②①の集団が複数集合した、さらに広い範囲の集団
:日常的移動の範囲で主に労働の場を共有するストリート・チルドレン集団
③②の集団が複数集合した、かなり広範囲にわたる集団
:排除などによってある場所を追われた際に他の場所への移動を可能にする生存のための集団
→①②には定住層、ストリート・ワーカー層
③には定住層、ストリート・ワーカー層に加えて、単独層が含まれる。