久しぶりに大阪駅に出た。
高層ビル化が進んで、街がきれいに一掃されて、ごみごみ感の残る一部の飲食街を除けば、どこか他者を平気で拒絶する空間に変わってしまったという印象を受ける。
第一に、空が狭くなった。自分がどこにいるのかわからない。街にいて、地下街にいるような感覚に陥る。
ほんの少しの開けた空間を独占し、若者以外を排除するような柔らかなイルミネーションの光が虚構だ。幻想的ではあるかもしれない。でも、人がいない街。ただ、行きかうだけの場所になってしまっている。留まることのできなくなった駅には、魅力を感じない。
異質な他者を即座に見分けられるようにきれいにして、そして他者を排除して、何が街なんだろう。猥雑さのない、そんな空間を、いづれ自分も排除される側に回って苦しむことになることが想像できない人々が闊歩しているけれど、作り出して何がうれしいんだろう。
地上は、車だけのモノになってしまったなぁ。
店や仕事に向かう特定の人以外は、地上部分を歩かない。高層階へとエレベーターで上下運動するか、プロムナードを渡って平行移動するか。なんだ、ここは?
地を這わない人々の営みが、気持ち悪い。バーチャルだ。
だからあえて、地上を歩いてみたのだけれど、歩けない。歩くことを前提としなくなった街がある。日本は歩行者優先だった国だが、今は違うというか、駅周辺は異空間だ。