一生あなたの前で口外することのない気持ち、それは、「あなたのお母さんになりたい」。
初めて出会ったからもう6年。
あなたは8歳になりました。身長も伸び、痩せ身ですが抱っこしたり負んぶしたりするのには重たくなりました。
この前、私を一瞬の間「おんぶ」したあなたに、時の流れと、その時間で培われた言い表すことのできない気持ちを実感しました。
多分、私だけでなく、あなたを思うスタッフ皆が、あなたの母として、時に父として生きたい、と思っていることでしょう。
いつも寂しい思いをさせ、いつも母親を探して泣くあなたに、何もできずに居たけれど、ほんの少し施設のルールを破ってあなたと一緒に眠るのは、本当はあなただけをぎゅっと抱きしめてあげたい気持ちがあるからです。
ひとりだけ、お母さんがいない。
ずいぶんと、辛い思いをさせてきたと思っています。
きっと、これからも・・・私たちは、その仕事ゆえに愛するあなたを傷つけてしまうでしょう。
私はあなたの家であり、みんなの家であるダヤを守るために、あなただけのお母さんでいることはできないの。
この気持ちが理解できるようになるまで、私はあなたのそばでいて、あなたのお母さん代わりをすることを許してください。