キャッチーなフレーズだけど、たいていの人には伝わらない気がする。
だって、周りに薬物使用で廃人になったり、死んだ人間なんてそんなにいないでしょう。少なくとも、日本で、ごく普通に生きていれば。
たくさんの廃人を見てきた。口から泡吹いて目がいっている人。震えが止まらない人。排尿に気付かない人。
たくさんの死に出会ってきた。
あぁ、人間、やめちゃったんだ・・・みたいな虚無感。空虚感。
怒りとか、悲しみとか、憤りのような強い感情ではなくて、もっと静かで、泣くことも忘れてしまうような、ただぼんやりとつらい気持ち。
最近、フィールドに出て、強い感情よりも、そんなぼんやりとした心象に心が凍ったような動いていない印象を受ける。
かなしさとかが、如何に前向きな感情かに、気付く。
ただ流れていく事柄を、呆然と立ち尽くして過ぎ去るのを待つような感情に陥るとき、私は悲しくてわんわんなけることが仕合せだとおもうし、かつて、仕合せだったと思う。
心が凍ったわけではない、でも、もう、自分の感情が明確にどこから生じたのかわからないぐらい、混沌としていて、ひとつの乗り越えられる感情ではなくて、戸惑っているのだ。