ストリート・チルドレンの大部分は、家の近くにおいて労働、生活する。しかしながら、家ではない場所で、親や家族とはなれることは、見知らぬ場所で孤独と不安に耐えながら生きていくことを意味する。見知らぬ場所が、仲間集団への参加や、長時間その場所でろ労働・生活してきたという時間の経過、通行人や周囲の人々とのかかわりの形成、その場所での過ごし方の会得などをへて、新しい場所に変わる。
見知らぬ場所が新しい場所に変わることは、ストリート・チルドレンらしくなることを意味する。路上における暗黙のルールに従って、路上に生きる様々な人の合間で生きる術を身につけたとき、新しい生き方をまっとうできるようになり、その場所が、ただ怯える対象ではなく、そこで生きることの出来る場所へとかわる。