モナルカ蝶。それは、わざわざ越冬のためにはるかカナダからやってくる渡りの蝶である。その気の遠くなるような旅をする蝶に会う為に今回、某日系旅行会社の企画ツアーに参加した。知り合いも多く参加することもあって、気分は遠足だ。みんなしておやつを持ちより、わいわいがやがや。
目的地までは3時間以上かかるので、途中お互いの持つ情報を交換したり、最近の出来事など様々なことを話す。また、お互いの友達を紹介しあったりと輪を広げることにも余念がない。
そうこうしているうちにミチョアカンに到着。着いたバス停には、すでに蝶が数匹舞っている。そこから山の方へ歩くことしばらく、蝶の群生が現れる。あまりの数に圧倒されたのもつかの間、数十本軒が蝶に埋め尽くされ、木の枝が枝垂れている。その姿は、美しいというよりも気持ちが悪いというのが素直な意見であろう。しかも、このモナルカには毒がある。外敵から身を守る為に発達した機能だそうだ。それにしても、茶色がかった色といい、空を埋め尽くす数といい圧巻だ。
現在は道も観光客用にかなり整備され、アクセスが容易になった。蝶は年々減少傾向にあるといわれているが、年によって当たり外れがあるらしい。今年は紛れもない当たり年。そんなわけで、絶滅しそうな気配はないが、もしも近くに来られる際は寄ってみてはどうであろうか。空を埋めるこの蝶の数は、一見の価値はあるはずだ。